top of page
2015年2月22日 KLUB COUNTER ACTIONライブレポート

 

爆音のKLUB COUNTER ACTION。今日はバンドとDJが交代でプレイしている。DJの選曲の良さにバンドの入れ替わりもトーンダウンする事なく、フロアはずっと温かいままだ。7バンドが出演する今日のイベントは、その盛り上がりにより押して進行しつつ6番目のTHE INTIへバトンが渡された。

 

サウンドチェックでステージ下手のスピーカーの上に手をのばし、確認しているMASASHI(Vo/Gt)。ROTTENGRAFFTYやMAN WITH A MISSIONなど、客席にダイブしたりするバンドのメンバーはサウンドチェック時にステージの端やトラスを確認している。どこまで行けるのか、どこから下に降りれるのかなどを確認しているのだと思うが、まさか、彼もそのためにスピーカーを見ているのか…?いや、さすがにこの上には…。自らのステージの記録の為にiPhoneなどを設置しているのだろう。この日は機材の関係でカイの準備に苦労したようで、先に確認を終えたヤマサンがアンプを照らしたりして準備を手伝っていた。

 

THE INTIを知る人なら定番曲から始まる。もちろん今日初めて彼らを観た人たちもいるだろうが、そこまでのバンドとDJで温められたフロアは盛り上がっていて手を挙げている人が沢山いる。

次の曲は新曲だ。彼らのライブは行く度、といっても良いくらい次々に新曲が披露される。アルバムの制作中ということだが、それにしても「ITNIらしい」曲がこんなにも沢山できてくる事に驚いてしまう。曲終わりにMASASHIが「こんなのも出来るんだぜ、俺が作った曲だけどな」と少年の様に照れ笑いしながら話す。INTIらしいとは、曲が似通っているという事ではない。全く違うテイストなのに彼ららしさがあるのだ。

 

こまひろ(Dr)のドラムは本当に優しくしっかりしている。絵画で言えば枠なのだと感じる。枠がなければ品がないし、そもそも作品として成立しない。変わった音を出したりしている訳ではないし主張しすぎるドラムではないのにそう感じさせる彼の安定感は、INTIの世界を楽しむためにはなくてはならないものだ。今日しみじみ感じたのは、ライブ中のMASASHIをみて吹き出さない彼のメンタルだ。格闘技の間合いをつめている時の様に、客席に背を向けて挑むように迫るMASASHIを優しく見つめ返している。その落ち着いたキャラクターが良く現れたドラムだと思う。

カイ(Gt)はエフェクターを使って色んな音を出すギター職人だ。そして彼のリフはキャッチーでいて独特。いつもクールで、演奏中にMASASHIに絡まれてもほとんど表情を変えずに弾いている。しかし、今日の彼はちょっと上気した表情で気持ち良さそうに弾いていた。持ち場を離れないクールなギタリストが浸って弾いている姿は、観ている私たちの心をとんでもなく熱くする。

過去にもレポートで絶賛しているヤマサン(Ba)のベースはメロディアスで、太く繊細。相反する要素を同時に叶える。ベースの役割がわからないという人にしばしば出会うのだが、ライブで彼のベースの音とプレイを体感すれば、その意味が理解できるに違いない。

MASASHI(Vo/Gt)は豊かな表現力、声の艶がある。一度として同じ歌い方をした事がないのではないかと思う位のアレンジも素晴らしい。動きやMCでも人を惹き付ける。彼は本当に華のあるボーカリスト、まさにフロントマンだ。

 

MCではMASASHIの近況だった。あまりのエピソードにフロアは笑っている人とどん引きしている人に二分だ。結論としてはピザも風呂も温かい方が良いということと、炊飯器は無限の可能性を秘めているということか。

 

MCの複雑な空気は曲が始まれば去ってしまい、また盛り上がって行く。そっしてStand Upのラスト、スピーカーに近づくMASASHI。まさかと思ったが…本当にスピーカーにのぼってしまった。驚く声と笑い声と拍手の中、物干竿の洗濯物の様にくたっとスピーカーに乗っかったままライブは終わった。

 

30分あまりの間に高揚したり、笑ったり、どん引きしたり、驚いたり、気になったり。こんなに心が動かされるライブもそんなにないだろう。初見でも、いや初見ならなおさらか。

THE INTIを知っていて楽しめる事が誇りでもあり、全く知らない状態に戻って終始「!」と思ってみたくもある。これから初めてライブに行く幸運な人たちに是非感想を教えてほしい。

 

セットリスト

1 .FREE RUN

2 .SALMON

3 .NEW

4 .HK

5 .INTI

6 .STAND UP

 

なおりん

bottom of page